発表報告(島(SCIS2018))
発表タイトル: XORベースの({1,k},n)階層的秘密分散法
- 感想
- 20 分枠に対して,15 分弱で発表した.聴講者は 50人くらいと思う.({1,k},n) 階層的秘密分散法が何かについて丁寧に説明した.そして,先行研究のアイデアの説明を行い,提案手法の差分とそのアイデアを説明した.質問にて,提案手法を仕上げるために何が求められるかピンポイントに確認できた.前日は東京が大雪だったが,新幹線等に遅れはなく,新潟も風は強いが晴れていた.2日目は吹雪により,会場までの徒歩は困難でバス移動にした.
- 質疑
- Q1
- 性能に関して,実装構成はどのようにしているか?
- A1
- 特定の階層に特化した実装ではなく,任意の階層に適用可能な実装の下で評価を行った.
- Q2
- 参加者の集まりによっては性能差があるか?
- A2
- (分散では)全員が必須参加者なら栗原らの計算量と同じ.必須参加者が1人だけなら,最も計算量が多い.
- Q3
- さらに高速化の余地はあるか?
- A3
- 特定の階層に特化した実装にすれば,分散復元処理を行列構成ではなく,XORで書き下すことができるので,高速化できる余地はある.そのほかの実装上のアイデアは現時点で持っていない.
- Q4
- 従来手法は復元できない確率があるとのことだが,その理由は?
- A4
- Tassaの階層化は生成行列の左側が低階層になるにつれて0になるが,この行列は識別子の異なる Vandermonde 行列ではないので,逆行列が得られないことがある.復元する参加者が決まれば,復元できるかどうかわかるが,すべての組み合わせにおいて証明は困難と考えられ,確率を用いた証明に落ち着くものと考える.
- Q5
- 提案手法で1 にすることで復元できる理由は?
- A5
- 行列の階数が維持されることによるが,詳細については精査中である.