発表報告(柴山(第18回情報科学技術フォーラム(岡山大学)))

発表タイトル: 公開鍵検索可能暗号に適したブルームフィルタの検討
感想
15分の発表と5分の質疑応答の全体で20分の持ち時間が与えられた。自身においては初の外部発表であり、発表開始から数分は緊張のため落ち着かなかったものの、中盤以降は冷静に発表することができた。既存研究との差異や自身の工夫について上手く伝えることができたと感じた。質問はセッション内で2件あり、以下のように回答した。
主な質疑
Q1
和集合がs+1という値を用いて判定できるというのはどういう意味か?
A1
直感的な説明になるが、提案手法において用いるブルームフィルタは、通常のブルームフィルタと異なり、キーワードが入力されているアドレスに0が、入力されていないアドレスに1が入力されている。つまりs個のブルームフィルタ同士を加算したとき、あるブルームフィルタのアドレスの値がsになっていた場合、s個のブルームフィルタについてそのアドレスにはキーワードが入力されていないことになる。トラップドアにおいては通常のブルームフィルタと同様に1が入力されているアドレスにキーワードを入力するため、s+1となっているアドレスがあるということはs個のブルームフィルタにキーワードが入力されていないことになる。それはあるキーワードがいずれのブルームフィルタにも含まれていないことを意味するため、和集合に対する検索が可能となる。
Q2
小嶋らの手法(既存研究)と提案手法では、結局どちらが良いのか?性能が上がったという理解でいいのか?
A2
提案手法は小嶋らの手法と比較した際に性能が上回っているわけではない。今回の発表の主題は、完全準同型性をもつ準同型以外の準同型性をもつ暗号方式を用いても公開鍵検索可能暗号が構成可能であり、かつ小嶋らの手法のもつ機能を達成することができることを示したことである。