発表報告(小川(電子情報通信学会 2006年総合大会))

A-7-4 個人情報の開示方法に関する一考察
発表感想
サービス利用者が積極的に情報開示する場合の匿名性を満たした情報開示方式の提案を行った.提案方式では,部分ブラインド署名とグループ署名およびリンク可能なグループ署名を用いて匿名性を満たし必要に応じて各情報を関連付けすることが実現できる.
サービス利用者が積極的に情報開示することを想定し,研究を進めていたが,その想定に対するコメントや質問はなかった.少なくとも想定が現実と乖離していないだろうと考えることができて安心した.
質疑応答
Q1
匿名性を満たす方式として仮ID方式があるが,提案方式と仮ID方式との違いは?
A1
ほとんどの仮ID方式の提案では,擬似乱数をワンタイムの仮IDとして利用し匿名性を満たしていますが,本提案方式は,匿名性を満たす署名を用いて匿名性を満たしています.匿名性を満たす署名を用いることで,ある仮定に基づいた安全性証明ができるという点で異なると考えています.
Q2
リンカブル / アンリンカブルな(コンパチブルな)グループ署名を構成する検討はしているか?
A2
コンパチブルなグループ署名の構成は,以降の研究課題と考えています.